WESTCOMBの裏側

70歳間近、もうすぐ一線を退こうとしているそんな父親から1眼レフを奪ってしまった山荘飯島です。
おかげで自撮りなどを撮ることができるようになりました・・・が、簡単には言い表せない色んな思いが詰まった写真になっちゃってます。店舗にお越しの際は叱ってやってください。
写真のクオリティー向上を目指し、少しずつ勉強していきます。がんばらないといけないです。

それでは今回は以前、チェコのアウトドアブランドTilakでもやってみた好評?裏側シリーズの第2弾『WESTCOMB』の裏側を紹介してきます。ようするに縫製の良さを見てみようということです。以前のブログになぜ裏側を見るのか述べてますので、以下リンクをご覧頂けましたら幸いです。

Tilakの裏側

この裏側の紹介は、店をやる前からWESTCOMBでやってみたいと考えていたことでした。それだけ別格だったわけです。そして開業の準備をはじめるわけですがWESTCOMBは絶対に取り扱いたいという構想があり、真っ先に取引をお願いした経緯があります。縁もゆかりもない中での突然の連絡にも関わらず、取引に応じて頂いた代理店の方には本当に感謝しかありません。

そんな思い入れの強いWESTCOMBの中から今回はこの商品を紹介します。

SWTICH LT HOODY

この商品をはじめて見た時は衝撃を受けました。ダイニーマがシェルとして使用されているぞ!見た目もすごいカッコいいぞ!しかもWESTCOMBじゃないか!てな感じです。

〇まずはWESTCOMBの紹介を(自分なりの解釈で書いている部分もありますのでご了承ください。)
アウトドアブランドが多くあるカナダ・バンクーバーにてパイオニア的な存在として30年以上アウトドアウェアを作り続けているブランド。作り続けていると記載しましたが、Tilakと同様に自社縫製工場を持っているので本当の意味で作り続けています。デザインから生産までを一か所で集約している今では稀有な会社なわけです。
もともとこの工場はあのアークテリクスを生産していた工場なわけで、色々ありアークテリクスはアジアに生産を移し、自社ブランドとしてWESTCOMBができました。
当時のアークテリクスは今では当たり前の止水ファスナーを世界で初めて開発してシェルに採用したブランドで、それを生産していたのがWESTCOMBということになるわけです。当時からアウトドア最先端の技術を体現できる工場であったということです。
生産国でそのブランドの品質を判断するのはあまり好きではないのですが、自社縫製工場を持ち、いまだにカナダで一貫してものづくりをしているという部分はブランドとしての『こだわり』を感じますよね。

じゃあその『こだわり』とはどんな部分かというのが今回の裏側につながります。
ここからは商品写真とまじえてブランドのすごさを説明していきます。

〇シームテープを最小限の幅に抑えている。
シームテープとはパーツ、パーツの繋ぎ目に貼り防水性を保つための素材です。
これを最小限に抑えるメリットとは?
1、素材の透湿性を最大限に発揮できる。
ただの防水素材と異なり、防水透湿素材の透湿性というのは重要なポイントです。湿気をどれだけ逃がし内部を蒸らさず快適でいられるかということ。テープ部分は透湿性がないので、そのテープ幅が広いとテープ部分の表面積が広くなり本来の透湿効果が失われるため最小幅に抑えることが重要になってきます。
2、柔らかい着心地
テープ部分は縫製の無い部分と比較するとどうしても固さは残ります。そのテープ幅を最小に抑えることで着心地の良さを実現しています。
3、軽量化
一般的には微々たる重量かもしれませんが、登山においては軽さを求める傾向が顕著です。
テープの表面積を小さくすることが軽量化にもつながるわけです。

そして上の画像通りすごく綺麗に貼ってます。テープの重なりもこれが機能的かつ最小限なのでしょう。
但し、今回の商品に関してはWESTCOMBの最小幅9㎜と言われるシームテープを使用されてはいません。ここで大切なのは素材によって相性の良い最適な幅のテープを使用するということです。アウトドアシェルというのは過酷な環境で使用することを想定し、安全面を考慮しないといけません。でも最小より太いというだけで、他メーカーと比べて太いというわけでありませんのでさすがWESTCOMBという作りです。

〇運針 1インチ(2.54cm)間20ステッチという驚愕の技術
私は前職ではシャツの生産に携わることが多かったのでこの運針数は驚きです。
さらっとこの数値だけを記載している紹介ページが多いので、山荘飯島ではここを掘り下げさせて頂きます。
*全ての縫製箇所が運針20ステッチという確認はできていないので、ここではそれだけの技術があるという認識でいてください。場所によって当然異なると思います。

高級ドレスシャツほどではないにしても、一般的に日本の良い工場で生産されている良いシャツに近い運針数です。(日本の場合3cm間の数を表記するので若干の誤差はあります。)
アウターに関して言うならここまでの運針数を設定しているところは無いかもしれません。ただ誤解が生じるかもしれませんので、あえて細かく説明すると必要が無いという言い方のほうが正しいでしょうか。素材に応じて運針数は変え、単純に運針数が多ければ良いというわけではなく、その特性やデザインにあった運針数を設定しているということを付け加えておきます。

では運針数をあげることのメリットとは?
まずは一般的な知識として
・縫い目が細かくなるので強度が上がる。
・縫い目のアタリが柔らかくなり、着心地が良くなる。
・美しい見た目。よくドレスシャスなどできれいなステッチという言い方をするのはこの運針の細かさを指しているケースが多いです。

じゃあ運針を上げればいいのでは?と思うかもしれませんが、簡単にはいきません。
自分で手縫いすることを想像すると分かりやすいと思います。
運針を上げる(縫い目を細かくする)ことで
・時間と手間がかかる。
・糸をたくさん使うのでコストがかかる。
・生地によってはテンションがかかりすぎてつれてしまうので、高い技術が必要。

商品に表記されているわけではなく、見た目にも一般的には分かづらい部分なので生産性を上げ、コストを抑えるために運針数を抑えているのが大量生産をするメーカーに見られます。もちろんそこは価格を抑えるための企業努力なので、全然悪いことではありません。

上述したような理由からこだわりのあるシャツメーカーは運針数をあえて記載してその製品の良さを伝えています。
でも、このような話はあくまで一般的なシャツメーカーでの見られる内容です。
素材や商品も全く異なるWESTCOMBにて同様の話ができ、アウター製品では他に聞いたことは無いのでここを明確にしているのは非常に驚くべき点なわけです。

また、上の画像のようにファスナーなどの引っ張られる箇所をカンヌキやWステッチを施して手間をかけて補強している点もすごく気が効いています。他メーカーのシェルなどのウェアを見てみると返しミシンですましているケースが多く、カンヌキまで施している商品はあまりないです。

ここからは代理店さんが紹介しているWESTCOMBのページから新たに学んだことですが、ステッチが細かいことで強度が上がり、縫い代(内側に余る生地)を狭くできる。狭くできることでシームテープの幅も狭くできるわけです。なのでこの圧倒的な縫製技術のおかげで、前述したシームテープの最小幅が実現できているということでした。
勉強になりますね。

細かく書いてしまいましたが、圧倒的な縫製技術を持ち、『こだわり』をもってやっているブランドだと覚えておいてください。
個人的な偏見かもしれませんが、自社工場のあるファクトリーメーカーはどちらかというと生産性を考慮にいれながらうまくやっている部分も感じるので、ここまで『こだわり』を持っているのはもはやデザイナーズブランド的な次元も含まれていると思っています。ちなみにTilakも同様にデザイナーズブランド的な要素があるので取り扱いをしています。

ではいざ商品紹介と思いましたがあまりにも長くなってしまうので申し訳ございませんが、省略させて頂きます。
詳細興味ある方は店舗にて説明させて頂きますので、お気軽にたずねて頂けたましたらうれしいです。

簡単に言うと『ダイニーマコンポジット』というとにかく軽くてとにかく頑丈な素材と透湿性抜群な『event』という素材を組み合わせている最高の素材を使用し、圧倒的な縫製技術で作り上げた至高のハードシェルです。

素材はものすごく高いです。なのでコストに合わないので他のメーカーでは使われない、もしくは技術が伴わないので使えないみたいです。

価格だけ見てしまうと決して安いものではありませんが、この圧倒的縫製技術と素材を考えるとコスパの良いアイテムだと心底思ってます。軽くて小さくもたためます。年間を通して登山に最適です



WESTCOMBの商品は他にアノラック型や日常着としても最高のダウンジャケットが入荷してますので、ぜひ店舗までお越しください。女性が着用できるXSもありますよ。
そしてこのくらいの本格ギアを日常で合わせるのも山荘飯島的にはカッコいいと思ってます。



SWTICH LT HOODY  ¥90,200(税込)
通販対応可能 インスタグラムのDM or メールにてお問合せください。
contact@sanso-iijima.com

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