既に販売していてありがたいことに好評なのですが、記録のためにブログを書きます。
購入頂いた方々もぜひ読んで頂きたい内容になってますので、ご覧頂けたら嬉しいです。
その前に直近のお知らせを。
6/20(金)-22(日)の3日間限定でONC MERINO Short-Sleeve販売します。
*混み合った場合はお並び頂く場合があります。
*この3日間はシャツのオーダー受付を中止させていただきます。
約1年ぶりの再販となります。幻の半袖なんて言われていた商品かもしれませんが今回10色展開で限定販売です!!
山荘飯島での取り扱いはこの3日間のみになります。ちなみに期間中の長袖の取り扱いはありませんのでお気をつけください。
ファンが多いONC MERINOの告知はこれだけにしておいて、
まだまだ馴染みのないだろう、本題のキルトスカートの紹介へ移ります。
ここ最近、スペシャルな商品が多い上にこの後も夏の新入荷案件が控えていたり、そのための撮影に行かないと行けなかったり来年の企画を考えたり、自分自身で勝手に苦しんている今日この頃ですが、そんな中でも考えていた年月は1番長いのが間違いなくこの商品でしょう。
迷迭香に別注して作ってもらったキルトスカート「コマンドキルト」
(画像のブラックは完売!!です🙇♂️)
先に元ネタを見せちゃうと・・・
マウンテンハードウェアから発売されていた【メンズ用】のキルトスカート「エルコマンドキルト」
これが元ネタです。実はハイカーと名乗る人ならば知っておくべきキルトスカートだったのです。
確か2012年前後、私自身月2回は登山用品店へ行き、月2回は山へ行くような1番真面目に山に取り組んでいたころに見つけたのがこのスカートだったのですが、当時は短パン、タイツにハイカットシューズで山に行ってましてULハイカー的な足出し半ズボンやローカットトレランシューズを履いてる人もそこまでいなかったのでレインスカートなんてのも知らず。ちょうどUL黎明期を支えた世代の方々は履いていたような時かもしれません。
そんな頃にメンズ用のキルトスカートを作っていたマウンテンハードウェアはとても面白く、新鮮に映りました。
ちなみにファッション的にもまだイタリア系ファッションの栄光があり、ジャストフィットな服装もギリギリ標準的だったので、今のようにワイドパンツを山で履くなんて発想はほぼ無かったのでは無いかと思います。(このころくらいにカジュアル路線とノームコア、ビッグシルエットの兆しが見えたようなタイミングです。)
時代の最先端過ぎたか、逆に遅過ぎたのかそんな中途半端なタイミングのスカートだったのかもしれません。
なのできっと売れなかったのかも。すぐに見ることが無くなったエルコマンドキルトでした。
そして私自身も実は躊躇してしまい当時買うことをしませんでした。
ここから余談となりますが、
試着してスカートを買うか悩みに悩んで、結局コットン100%のワイドなタイパンツをBEAMSで購入。
そのタイパンツがこれです。画像は粗いですが2012年の金峰山。10年以上前だってIPhoneはありますよ。
アメリカ製のクライミングパンツで、アメリカのクライマーはタイパンツを履いていたとか、そんなルーツで作られたブランドだっと思います。そんなルーツの側だけ気に入って機能性とか気にせずに履いてました。クライマーが履いてるならばと山で履くのが良いじゃないかと当時の私は思ったようです。なのでこれに似ているストーンマスターの半端丈を今愛用していたりしてます。
しかもそこにマックパックのロングゲイターを合わせるという今なら信じられない組み合わせですが・・・
ゲイターが正義でかっこいいと思っていた頃ですね。
とは言えこんなコットンパンツを登山で平然と履いていたから、今の「山荘飯島です。」に繋がります。
どこかのブログに書いたかもですが、このパンツは赤岳の山行中に岩の突起に引っかかり、裾が破れて捨てているわけで身をもって裾の広いワイドパンツの危険性も学んだ上で、色々な提案をしております。
話を戻すとこのタイパンツを買ったはいいものの、結局ずーーーーーーーーーーっと買えば良かったと10年以上後悔していたのがマウンテンハードウェアのキルトスカートだったのです。あの頃履いていたから復活させたいではなく、あの頃履きたかった後悔から生まれたのがこの別注です。
やっぱり着てみたいそう思ったのが店を始めた頃。古着市場や二次流通で探し出しまして、サンプルを準備万全用意してタイミングを見てキルトスカートを作る!!というのも一つの目標としていました。
そんな考えを頭の隅に置きながら、活動を続けていた訳ですがそこでキーとなったのが迷迭香の山への広がりと、良心的な価格設定です。
ありがたいことに結果的には好調に売れているキルトスカートですが、別注を決断するまで2023年ごろから1年以上は悩み、2024年の夏にようやく決断できて迷迭香のデザイナーである坂下さんに相談させて頂いたという経緯があります。と言うのはキルトスカートなんて売れる気がしなかったからです。先月の塩の山のイベントで販売直前まで不安でいっぱいでした。
当時のタイパンツ田窪さんも躊躇したメンズも履けるキルトスカートですからね・・・売れ残る恐怖しかありません。山文脈とファッション文脈の両方のお客さんの力を借りないと難しいと感じておりました。どちらかと言うと、山文脈にはちょっと難しいかなと思っていたのが正直なところ。
そんな慎重な考えを持っていたら気づけば、全国区の登山ブランドに成り上がっている迷迭香ではありませんか。
これはいけるのかもしれない?と考えた2024年、そのブームに便乗しようと決断して実現できた2025年の初夏です。
とは言え、ただ流行っているブランドだから作ってもらえば良いというわけでもありません。
これも迷迭香のデザイナーの坂下さんだから依頼したいと思いました。
坂下さんはファッション業界で長年活躍されている方であり物作りを知っている人、さらにはイギリス方面の有名ブランドの企画もされていたこともあったり、ちゃんとキルトスカート依頼したその背景を理解してくださる稀有な人だと思います。キルトスカートはスコットランドが発祥なのでそんなブリティッシュな空気感とプロダクトへの理解度は誰よりも高いおかげでこんなキルトスカートに仕上がっているのです。
例えば、「和」方面に強いブランドだと、きっと袴風になってしまったり、ワーク系ならばエプロン風な作業着にもなってしまうかもしれません。それが悪いわけでは無いけれど、絶妙なブリティッシュな硬さみたいなものを表現することが非常に重要なのです。
そしてメンズが履けるというバランスへの理解度が大変素晴らしいです。これは本当に最重要ポイント。
わかりやすいところだと例えば裾が長すぎても、短すぎてもNG。裾が広がりすぎてもタイトすぎてもNG。と言う非常に難しい絶妙なバランスのサイズ感が肝になってます。このサイズバランスだからこそ「メンズが履ける」むしろおっちゃんが履けるということを自信を持って言えるのです。逆に女性ならばナチュラル感は抑えめなカッコよく履けるスカートになっています。店頭でも3割くらいは女性の方が購入してくださってます。
ここらへんの意図をすぐに感じ取ってくださり、ファーストサンプルでほぼ完成形に近づけてくれました。
そして最後は迷迭香な価格設定です。「税込¥19,800」と言う凄さ。
この後ろのプリーツを見てください。(先ほどの話に戻ると広がり過ぎないように途中でステッチで抑えていることも重要で男らしい雰囲気を底上げしてくれます)
すごく丁寧で凝っているので3万円や5万円でも売られていそうな雰囲気と作り込みだと冗談抜きで思います。でもそれだと登山文脈には響かないでしょう。流石に気軽に山では履けないですしね。ちゃんと現実的な日常使いができる価格で販売できると思ったから迷迭香に依頼しました。
そして結果的に素晴らしいプロダクトに仕上げて頂きました。
今、声を大にして「迷迭香を舐めるなよ。」と伝えたいプロダクトになってます。
もはやワイドなパンツは登山方面では当たり前になってますので、今さらこんなワイドパンツを山で履きたかったなんて言いづらい2025年の山荘飯島ですので、ファッション的な流行りも少し気にして先を見据えた新しい提案がこのキルトスカートになります。ワイドパンツよりも、わかりやすく圧倒的な通気性を誇るのがキルトスカートですよ。
一部のアメリカのハイカーなどにもキルトスカートは愛用されているようでキルトスカートを販売しているブランドもあります。ロングハイカーを目指す人ほど興味を持ってもらえたら面白いと思ってます。
だからこそ本来であればクラシックなアウトドアブランド、登山用品店、ULな店が今こんな商品を扱うべきだったのかなと個人的に思ったりしてるとかブログに正直に書いてしまいます。全体的にファッションを走ろうとし過ぎている登山業界な気もするので、ファッションはファションの人たちにまかせて、登山への新しい発想や懐古な考えをもっと大切にしていくべきな気がしました。
そんなことをファッションにしか走ってない登山用品店が思ったというブログでした。
真面目な気持ちで山文脈へ伝えたいギアとしてのキルトスカート。だからこそファッションに響くはず。
あの頃のファッションや、パンクな人には懐かしく、若者には新鮮に映る商品になっていると思いますので気になる方はぜひご検討ください。オンラインストアにも掲載済みです。(2025年6月14日21:00〜販売開始)
https://sanso-iijima.stores.jp
店頭では当時のマウンテンハードウェアを持っている人、モードな人、パンクなロッカーなどなど既に幅広い反応があってとても嬉しいです。
ここからが商品詳細紹介です
腰に巻いてはくラップスカートになってます。バックスタイルがかっこいいのはこのプリーツのおかげ。本当に凝ってますね。
ウエスト内側はスナップボタンが2箇所
バックルも2箇所あり。腰バックルでウエスト調整が可能です。大柄な方でも着用できるウエストですが、かなり絞れるのでサイズ3でも女性の購入者が多いです。
ちなみになぜサイズ3を女性が購入されるかというと、
160cmの女性がサイズ3を着用
スカートが長めになるので女性らしく履けます。サイズ2とサイズ3で着丈が8cm異なるので、着丈で選ぶ方が多いです。長めのスカートが好きな女性は160cm以上ならサイズ3でもいいかも。(ウエストが細い方は少し生地がタブついて裾が広がります。)160cm未満の女性ならサイズ2で。
男性は175cm未満ならサイズ2 175cm以上ならサイズ3を選ぶ方が多いです。(ウエストサイズを考慮しない場合)長めだと少し女性らしくなってしまうので丈の長さがポイントです。
*ブラックを履いている画像は170 60kg 全てサイズ2を履いてます。
これは170cm 60kg サイズ2
これは170cm 60kg サイズ3
どちらも中心をずらしてプリーツを見せるように履いてます。こんな履き方もおすすめ。
ちなみに購入された男性はあまり下着が見えることを気にせず履きますという方がほとんどだったのですが、もし気になれば店舗で取り扱いある画像の迷迭香メッシュパンツと合わせてみてください。通気性を損なわずに着用できます。
そして、裾の中心にボタンが付いているのでめくれ上がらないようになってます。
下の画像もスカートの中が見えていないのはボタンで止めているからです。でも高く足上げすると外れてしまうことも伝えておきます。足上げの良さを最大限に確保したい場合はボタン無しもおすすめ。
素材は迷迭香で大人気のナイロンハーベストトレーナー(2025ver.)と同素材のナイロン
なので、
ナイロンパンツと同じスマホポケットが付き
お馴染みのファスナーを開けたら便利な袋が出てきます。
他に両脇ポケットもあるので、収納力は十二分にあります。
ここまで説明してもあらためて、¥19,800円(税込)と言う価格の素晴らしさを感じます。
履きこなし方は本当に人それぞれなので
ブリティッシュなイメージがあるので、ナイロンの白シャツと合わせて少し品良くもできますし、
ブリティッシュなサッカーシャツとも相性よし。
ぜひ様々な雰囲気で楽しく着こなしてください。
そして次回ブログは「10年越しのサンダル」か「4年越しの防水シェル」のどちらかになる予定です。
怨念みたいなブログは続きますが、そろそろ現代的な発展と進化ができるように頑張ります。
店舗には紹介していない商品しかありませんので、ご来店も引き続きお待ちしております。