山荘飯島は山と街をシームレスに繰り出すことを理想としています。あくまで理想なので簡単にはいかないことも多いのですが、今回紹介するチェコのアウトドアメーカーが手掛けるブランド POUTINIK のRaven Hoodieはまさにその理想を体現する商品になってます。少し肌寒さも感じるこれからの時期にもおすすめ。
理想を体現するかどうかの基準は自分の中で細かいこだわりがたくさんのありますが、簡単に言うとシーンに応じた『素材』と『デザイン』で判断しています。
ではその判断基準を含めながら POUTINIK Raven Hoodieを紹介していきますのでどうぞお付き合いください。
〇素材
POLARTEC POWER STRETCH PRO (ポーラテックパワーストレッチプロ)
POLARTEC社とは
アメリカのファブリックメーカーでアウトドア業界では当たり前のように使用している素材を提供している会社です。分かりやすく言うとフリースなどはだいたいPOLARTEC社。フリース以外にも種類が多種多様あり、機能が異なり各メーカーが様々に活用しています。
アクティブな活動での良さはあたりまえなので、どちらかと言えばこの素材を普段の日常生活で着ると、とんでもないぞてことを伝えたいと思います。
私の場合は会社員時代に年末の大掃除や冬場に肉体作業する時にこの素材のフリースを着用していました。暖かい上に速乾性抜群なので、水仕事の時に最適。ストレッチとつくので、抜群に伸びてノンストレスで作業ができます。
しかも肌触りが良く、部屋着にも最高です。
速乾性に関して言うと、肉厚のスウェットなどは冬場は乾くまで時間がかかるし、重たいので干すのにしっかりとしたハンガーが必要ですが、ポーラテックパワーストレッチプロは脱水しただけで乾いてるんじゃないかと思うほど、すぐに乾きます。しかも軽いのでどんなハンガーでも問題なし。洗濯が苦手な人、冬場や雨続きの日にも安心です。
暖かさはセーターや厚手のパーカーと同じくらいと考えてください。裏起毛ですし、この上にアウターを羽織れば真冬でも十分な暖かさを保ちます。それなのに上記のように機能的なわけです。
とても現実的な生活感のある例をあげてますが、日常で使用した時に本当にそのすごさを感じるのです。
この素材に関わらず、山荘飯島ではアウトドアウェア、ギアというような道具類の良さを登山などをしない人にも伝えたいので、できるだけ幅のあるように日常使いでの紹介と提案をしています。
登山用途でいうと、十分な暖かさがありながら軽くてかさ張らない点が非常に良く、テント泊から日帰りの登山まで季節を問わず通年必ず持っていきます。特にテントで寝る時もそのストレッチ性と肌触りの良さからノンストレスなのが良い。行動時に汗をかいてもほぼ乾いてしまうので、そのまま寝る時も着用できるわけです。
いわゆるレインウェアなどのシェルは着用後の汗が天敵できちんと洗濯とケアをすることが長持ちの秘訣です。個人的には、そのケアを頻繁にやるのがめんどくさいので、雨や風が無い限り、極力レインウェアを着用せず基本的にはこのポーラテックパワーストレッチプロのミドルレイヤーのみで山行をしています。
そんな帰宅後の洗濯やギアのケアを最小限に抑えることを考えてもこの素材はマストアイテムになっています。
説明だけだとよくある速乾性素材やフリース素材と同じじゃないかと思うかもしれませんが、実際に着用すればその良さと違いが必ず分かります。
〇デザイン
ポーラテックパワーストレッチプロを使用した商品は上述したような機能面からほとんどのアウトドアメーカーでは登山用フリースの上位モデルにこの素材を採用しています。
なのでどのメーカーも当然本格アウトドア感強めのデザインになっています。
日常の普段着としては着用できないわけではないのですが、街に本当に馴染むかというと個人的には疑問を感じてしまいます。
*ちなみにここからはもはや個人の偏見的な意見なので軽く流してもらって問題ありません。
私自身も普通に日常でアウトドアウェアをアウトドア感を出して着ることもありますので、あくまで理想の考えという点を踏まえて読んで頂きたいと思います。
ではこのRaven Hoodie はというとタイトルの通り『ポーラテックパワーストレッチプロなのに普段着』のデザインなわけです。ここが山荘飯島では非常に重要なポイント。
いわゆるアウトドアファッションでポーラテック社の他のフリース素材を使用している商品は多数あります。もちろん登山もいけます。でも突き詰めたリアルな登山用途でも使用ができて、かつデザインも街に馴染むものは本当に少ないです。
今回あえてセンタープリーツの入った少しドレスよりのチノパンと合わせたコーディネートをしましたが、こんな感じのファッションでも違和感なく着用できます。もちろんよりカジュアルなパンツも問題ありません。
靴はALTARAのOLYMPUS4なので、化繊素材のパンツに変えたら普通に山へ行けるわけです。昨今よく見かけるイージーパンツなんか履いてしまえば、都内でのウォーキングもできて、そのまま店へ入れます。
このように『素材』『デザイン』の2点からこの商品の良さを語りました。デザイン重視でファッション感を強めようと、奇をてらって無理して着用しているわけではなく、登山用途でも考えた時にこれが最適な素材でベストな商品となります。
そしてブランド名こそPOUTNIKですが、以前縫製の良さを語ったチェコのアウトドアメーカーTilakの別ラインなので、同じチェコの自社工場で生産されています。あいかわらずの縫製クオリティ。とくにこの複雑なパターンは唯一無二ですね。肩と腕が動かしやすいように緻密に計算されたパーツ。フード部分も首の保温と頭の立体感を考えた上でのこのパターンなのでしょう。他のメーカーじゃ見たことないので本当にすごいです。
フードとネックの裏にはベロアのような高級感のある異素材を使用。細部までこだわってます。
まとめると、Raven Hoodie は『素材』と『デザイン』をさらには縫製技術を含めて他にはない 『ポーラテックパワーストレッチプロなのに普段着』 で山と街を本当の意味でシームレスに行き来できる商品というわけです。
せっかくなので日常でその良さを感じてほしい!
他に色違いでチャコールグレーも取り扱ってますので、ぜひ店舗までお越しください!!
Raven Hoodie ¥33,000(税込み)
*通販可 インスタグラムのDM、以下メールにてお気軽にお問合せください。
contact@sanso-iijima.com
今回色々と書いてしまいましたが、このような考えをもって山荘飯島では商品を仕入れています。もちろん全てがこの理想に当てはまるわけではありませんが、深いこだわりや語れる要素があり、基本的なルールを守りながら、他の登山用品店とは異なった独特な幅のある提案をしています。
なかなか分かりづらく、店頭で語る内容でも無いので今回のブログを通じて山荘飯島の一端を感じて頂けましたら幸いです。
私自信は決してこの理想に忠実というわけではなく、逆に登山などのアウトドア活動は基本を守ればもっと気楽にできるという考えがこの理想の先にありますのでご安心ください。
でも山だけに限らず、その活用するシーンに応じて最適な提案はできる自信はありますので、気軽にご相談いただければと思います。
少しずつでも共感してくる人がいたらうれしいなと、店をはじめてみてなかなか大変だなと思っている今日この頃でした。
やたらとポーラテックパワーストレッチプロと書いているので、とりあえずこの言葉だけでも覚えておいてください。また違った見方で素材がみれるので買い物が面白くなりますよ。
**メモ**
Poutnik -The Urban Traveler by Tilak-
世界を旅する者達が快適に過ごせるためにつくられた高機能トラベルウェアブランド。acronymブランドのフィルターを通し、より「街」を意識しながらもTilakの過酷な状況下での機能や経験を反映したギア的要素盛り込んだ商品構成。