日本製ゴアテックスジャケットの正体

4月は勝負をかけている山荘飯島です。
その勝負の一つとしてインスタグラムなどでちょっとお見せしていた日本製ゴアテックスジャケットをついに紹介します。機は熟したというところでその全貌をお見せしちゃいます!
梅雨を見据えてもいいし、ちょうど今は街中でも着用しやすい時期ですし、色んな意味深々でタイミングは万全なのです。

今まではブランド名を伏せていたりと、申し訳ございませんでした。
逆に店舗にお越し頂いた方にはしつこいくらいに説明してしまってすみません!

日本製ゴアテックスジャケットとはプロモンテという日本の老舗アウトドアメーカーの商品です。
この商品の着用画像まで撮影しながら取り扱っていた店は今まで無いはず。そのくらい実店舗で取り扱っている店は珍しい。なので勝手に山荘飯島オリジナル的な気持ちで力を入れて販売していました。

ブランドのことは登山をやってる人なら知っている人も多いと思いますが、ウェアに注目してる人はまずいないと思います。メーカーさんには申し訳無い言い方になっちゃいますが、いろんな先入観もあってお洒落とは無縁の立ち位置だったりするわけです。

でもね、店をはじめるにあたって実際に長く愛用してきたこともあって真っ先に取り扱いを決めたくらい、山荘飯島ではブランド背景含めて、こんなすごい商品はないぞと常に思っていた商品です。ようやく声に出してお届けできる運びとなりました。プロモンテはすごいんです。

分かりやすい部分だとまずはここですよね。
ゴアテックスの生地を使用していて、日本で縫製しているのに2万円をきるという値段。
これだけで買う価値あります。コスパは日本一を超えて、世界一だと冗談抜きで思います。

でも、値段だけでは山荘飯島はやりません。
今回はブログに書くので、山荘飯島らしさを出してより深いところまで掘り下げてしまいましょう。

まずは生地背景の話。


前回のブログにも少しだけ書きましたが、ゴアテックスを使えるメーカーてのは限られています。厳しい審査やブランドイメージもあるので、基本的には過酷な環境で使用できるアウトドア製品でしか使えないのと、オーダーするミニマムがとてつもなく大きいのでアウトドアブランドの中でも取り扱えるところが、規模的な問題で限られてしまうというわけです。

防水の代名詞といわれるゴアテックスですが、実はファッションブランドでは使ってないのはそんな理由もあるんです。

さらには、日本で縫製しているということもゴアテックス製品ではかなり稀有です。なぜなら工場もゴアテックス社の認定がおりないと、ゴアテックス製品を縫製できないのです。専用のミシンなど含めた設備投資も必要みたいですね。

だから日本製は限られてしまう。チェコのアウトドアブランドのtilakがヨーロッパでも貴重なゴアテックスの認定工場ということをブランドの強みとして紹介していますが、認定が取れるということは本当に貴重だとあらためて思って頂いて良いと思います。

しかも製品化するには、ファスナーなどのパーツやシームテープなどの部材もゴアテックスの審査が通ったものしかつかえないし、製品自体も審査が必要なので、下手に仕様を変えることもできません。

とにかくめんどくさいみたいです。でも完全防水のイメージが強いだけあって徹底的に管理をして、その品質とブランドイメージを守っているというわけですね。なのでその信頼感から長くアウトドアブランドでは使い続けられているというわけです。
ファッションブランドでは使えないと言いましたが、昨今ではモードなブランドの一部では使用していたりしているので、そこらへんもブランディングの一環なのかもしれませんね。

分かりやすく言ってしまえば、圧倒的な強さを誇るゴアテックス様ということです。普通の生地メーカーなら考えられないです。

余談ですが、日本のゴアテックス社はその昔、経堂に本社があったみたいです。山荘飯島を訪れた色んなお客さんにそのことを教えて頂きました。なので勝手に縁を感じたので、ここは説明するしかないじゃないか。

そんな強すぎるゴアテックス様の難関な審査を通過した数少ない商品の一つがプロモンテというわけで、しかも貴重な日本製。なのに2万円以下!

驚愕の商品です。

じゃあなぜゴアテックス社の生地を使えるのか?というと
「老舗」のアウトドアメーカーであるというその真面目な歴史とあわせて説明していきましょう。

プロモンテの前身はダンロップです。タイヤを作っていたり、スポーツメーカーでもあるあのダンロップ。詳細を言うと、ダンロップのアウトドア部門が独立した会社がよりアルパインの重きをおいたブランドとしてプロモンテが誕生しました。ちなみに同じ会社でダンロップブランドの商品も継続してやってます。
プロモンテはテントが有名で、おそらくテントで知っている人は多数いると思います。でもそこに驚きの背景がありまして今や世界的にもテントで採用されている吊り下げ式といわれる手法を世界で初めてドームテントに採用したメーカーがダンロップだっだのです。皆さんが知ってるあのブランドもそのブランドもだいたい吊り下げ式です。

そしてそして、さらに言うと日本で初めてシングルウォールテントにゴアテックス生地を採用したのが、ダンロップなのです。

こんな歴史があまり知られていないという悲しさ・・・私も知った時は驚きました。

きちんとした歴史もあるし、ゴアテックス社との関係性も長いのでいまだに使い続けられているのでしょう。


ここまでプロモンテの背景を簡単に説明しましたが、ここからは商品について説明していきます。
取り扱いを決めてからその歴史を調べたり、メーカーさんから教えてもらったこともあるので、これから説明する商品の部分におもしろさを感じたことが仕入れるきっかけとなりました。いわば山荘飯島な部分ですね。
実はパンツに関しては10年以上愛用しているプロモンテ ユーザーでもありましたので。

結論から言うと、この商品はアームホールがぶかぶかで立体裁断をしてないハードシェルということ。


いやーそんな商品にいらないよと思う方は当然ですがちょっと待ってください、言葉だけでは説明できないプロモンテの魅力を最後まで見ていってください。

パターンから紐解いていきましょう。

背中~腕~前ヨークまで全て一枚のパーツなのです。

数年前からバーバリーのコートの一枚袖なるものが注目浴びていますが、ここまで一枚繋ぎのパターンはみたことありません。
そりゃそうです。Afterglowの身体に吸い付く複雑なパターンとはまるで逆なわけです。昨今のアウトドアメーカーと真逆です。動きやすさという意味では良くないし、固めな生地なので変に生地が余ってしまいダボついて見えてしまいます。デザイナーな人からしたらタブーと言われるような作りですね。

でもアウトドアメーカーですので、動きやすさを意識してないわけありません。
その答えが大きめにとった身幅とアームホールということです。大きめなので分かりやすく動きやすくなります。サイズ表記と比較すると大きめの身幅、でも日本の平均に合わせたサイズなので袖丈と着丈は標準なつくりをしてます。

そんな必然が重なりましてアウトドア界隈ではあまり見向きもされないジャケットが、山荘飯島目線では今風の表現に置き換えると、身幅は大きめにとり、着丈と袖丈は短くしたボックスシルエットということになるのです。

これがプロモンテしか出せない独特な雰囲気。こんな着こなしができるハードシェルは他に無いでしょう。

でも、なぜこんなパターンなのかというと、実はこの独特なパターンはレインウェアという点において優秀なのと、驚愕の価格にするための重要な要素になってきます。

ゴアテックスウェアは縫い目をシームテープで処理しますが、それは水の侵入を防ぐためです。じゃ縫い目が無ければそれだけで防水性を高まりますよね?
背中~袖~前ヨークまで一枚の生地ということは縫い目が無い。=防水性抜群です。

そして、縫い目が無いということは縫製箇所が減るということ、さらに細かく言えば糸やテーブを使用する量が減ります。そう、コストダウンです。

このパターンのおかげで、レインウェアとしての性能とコストを下げるということを両立している非常に考え抜かれた商品です。

とは言ったものの、縫製やパーツコストを下げたと言えこんな金額で売れるものじゃないでしょう。安すぎます。
パーツに関してはゴアテックスの認定があるものしか使えないわけですからコストダウンなどできません。生地価格は当然同じだし、原価はそこまで他のブランドと相違はないはず。
もはや完全に企業努力としか言えませんね。プロモーションもしてないからこそ広告費などの費用も抑えられて、正直な価格設定をしているのでしょう。正直過ぎますよ・・・

その他にもブログに書けないような秘密もありまして、まだまだおもしろい底の知れないブランドです。なのでより詳しく聞きたい方がいらっしゃいましたら気軽に店舗で尋ねてみてください。知れば知るほど興味が出てくるブランドです。

ちなみにアウトドアブランドのシェルにしては今では珍しいフードが収納できる仕様です。

これもまた独特な雰囲気なのです。

言い忘れてましたが、素材は3レイヤー構造のゴアテックスです。
表地は50デニールのリップストップナイロン、裏地は凹凸感のあるトリコットなので、より汗が逃げるような作りでまさに日本の湿気に最適な素材で真面目な登山ウェアらしい頑丈なつくりですね。
このリップストップが今どき珍しく、これもまた絶妙な雰囲気につながっています。

ちなみにこんなパターンは立体裁断の技術が発達する前の、昔のアウトドアブランドにも見られます。当時はシームテープの技術も発達してなかったので、テープや縫製の意味でもボックスシルエットなものが多いです。
なので、ハイテク素材で作り上げた古着的な解釈のブランドと思ってもいいかもしれない。ここまで来たら最早、最近のドメスティックブランド的なデザインだと思います。

でもそうじゃないきちんと背景をもったホンモノだと、着てる人も、知ってる人も少ないよと言える唯一無二のブランドです。値段的にもラフに扱える気分になるのはアウトドア用途ではありがたいですしね。

この世の中に自分が思っている以上に知る人ぞ知るブランドてのは無いらしいですが、これはまさに山荘飯島のみ知るブランドだと勝手に思ってます。こんな紹介の仕方を含めてですが。
なので紹介するタイミングを見計らっておりました。

本格登山はもちろんに、近所の散歩や今風な街着としても。野外フェスや釣りで汚しちゃっても良いですね。
信頼のゴアテックスですから品質は間違いないです。

サイズ選びは大いに迷ってください。これに関しては簡単にはアドバイスできないかも。男女問わず、皆さん様々なサイズで着てもらってます。試着に着てもらえたらうれしいですが、とりあえず迷ったらXLを買いましょう。
裾やフードのコードをぎゅっと絞って着こなしてみてください。

生地のもたつきとか着心地とか細かいところは気にしないでダボっと着るのが山荘飯島なプロモンテです。
なので山荘飯島ではフリーサイズの感覚でXLサイズの着こなしをおすすめしてます。
きっちり着るのはWESTCOMB、Tilakにまかせましょう。

個人的には後ろ姿のボリューム感が好きなところ。

フードをしまってブルゾンぽく着るのもプロモンテです。

通販にも掲載しましたので、以下URLより是非ご検討ください!

*オンラインではXLサイズのみの取り扱いです。 ¥19,250(税込み)

イエロー https://sanso-iijima.stores.jp/items/624d9bc4047a9d7955d2571f

レッド  https://sanso-iijima.stores.jp/items/624d9d064773a37b839fb70f

*追加情報!
XLサイズのイエローとレッドは山荘飯島だけの取り扱いとなります。
しかも、このタイミングで廃番となることがわかりました。この3レイヤー構造のリップストップ生地とこのシルエットだからこその良さ。買える時に買っておきましょう。


付属の袋もあるので、パッカブルにもなりますよ。さすがアウトドアブランドです。


メーカーの担当者とお会いすると毎回毎回、その良さと凄さ、もっとウェアを広めましょうと力説してしまっているのですが、自分の思いとは裏腹にそこまで力の無い山荘飯島です。なので皆さんの力を借りてプロモンテを広めていきたいと思ってます
値段も含めて、老若男女にお勧めできる商品てのはなかなか無いのではないでしょうか!

最後の補足として
広めようというのは語弊がありまして、プロモンテのテントはどこのアウトドアショップにもおいてあるくらいとにかく優秀で逆に知らない人はいないくらいのメーカーです。ウェアのことを騒いでるのは山荘飯島だけなのでした。

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