この山荘飯島をはじめる前はアパレルメーカーにいて、今の自分のような店を運営している方々と取引をしていました。そう逆の立場になったわけです。
メーカーの時は早くオーダーください!なんて要望を出していたのも今は逆。
だいたい半年~1年前にオーダーをするのですが、来年に何が売れるかなんてわからんぜ・・・こういうことか・・。
でも、この仕入れの強みと特徴が個店の良さ、生き残る術だと思います。この精度とレベルを上げていこうと苦戦しながらも色々と模索している日々を送ってます。
実績がないからこその面白い商品を仕入れるよう準備してますのでご期待ください。とりあえず唯一無二感だけは出そうです。
そして業界に縁も無く、何者でもなかった私が登山用品店を開くことができたのは、そんなメーカー、代理店のおかげなわけです。その中でもはじめに取引を快諾して頂いた代理店が自社ブランドとして展開しているアウトドアブランドが今回紹介する「STATIC」となります。こことの取引がはじめることができたおかげで、店を開くための道筋が少しづつ具体的になったので本当に感謝しかありません。
商品紹介の前にまずはブランドの紹介を
*一部、文章はメーカーのホームページより抜粋しています。
STATICは環境配慮型のアウトドアブランドです。主に以下のことを取り組んでいます。
● より環境負荷の少ない素材へ 『置き換え』ていくこと
● 地球のための 『選択肢』を提案すること
昨今では大手企業を筆頭に環境への配慮と持続可能な仕組みをつくろうと模索していますが、海外アウトドアブランドも同様な動きをしており、パタゴニアなど良い例です。
でも、そこまで徹底できているブランドは少ないのが現状で、その活動を日本で率先しておこなっていくのがSTATICというわけです。
ブランドのこだわりや考えは、私自身も全て把握できておらずここに書ききれないほど。簡単には紹介できないので、このブログでは私なりの視点で焦点をあてて、徹底していると感じたことを記載します。
ちなみに私は環境問題などにおいて大それたことを言えるような意識の高い人間ではないので、あまり多くを語ることはしませんがSTATICだけはそんな考えを気にせずに紹介すべきだと思いこのブログを書いてます。
〇裁断後の生地ゴミ
洋服は生地をカット(裁断)してパーツを形成してそれを縫製して一つの商品の形にします。当然生地をカットした後に切れ端がでるわけです。布切れ、端切れなどと呼びますが、これ、とんでもない量になるんです。
前職の時も縫製工場へ訪れる機会も多く、その量を目の当たりにしました。極力無駄が出ないようにはしますが、商品の形ありきなのでどうしても端切れが多く出てしまいます。
たいていは工場が業務ゴミなどとしてこれは処分していますが、この処分方法などを詳しく公開しているメーカーはありません。なかなかそこまで回らないのが現状ですよね。
でも、STATICでは、そのことをきちんとSNSなどで掲載した上でクッションなどに再利用しています。
ここで大切なのはこの情報を開示することにあると個人的に思います。表面上では、いくらでも環境にやさしい商品ですとうたうことは簡単です。アパレルメーカーも含めて、この部分をきちんと伝えているところは無いでしょう。
もちろん全てのゴミを再利用することは難しいですし、いきなり全てを解決するのは個人の活動では限界があると思いますが、でもそのことや目指していく過程をきちんと開示することで非常に誠実で信頼できるブランドだと思ったわけです。
〇バックルの話
当然使用する素材は環境負荷の少ないもの、リサイクル素材を主に使用していますが、ここではパンツのベルト部分に使われるバックルに関しての話を。個人的に惹かれてしまいました。
こだわりのあるアパレルメーカーは釦やファスナーなど、小さな付属品を採算度外視で選ぶことがあります。普通はコストカットできるところで、正直分かる人なんていないことも多いですが、その小さなこだわりがあるからこそ、その商品の雰囲気、醸し出すオーラなんかが出てきてなんだかいい商品だねと思ってもらえます。
勝手にそんなアパレルの巨匠たちと同じこだわりを感じてるSTATICです。
バックルも徹底しています。その過程もきちんと話をしていて、リサイクルナイロンなどからできたバックルを海外含めてわざわざ探したけれど、強度の問題から使用することを断念し、現状は石油由来100%のバックルを使用しているとのこと。
作り手の方もきちんと登山を含めたアクティブな活動をやってるからこその、現在のバックルとなったわけです。表面的なことだけではなく、ここも本質も求めているからたどり着いた結果なわけです。
たぶんここまでバックルについてこだわっているブランドないのでしょう。だから海外を探しても満足いくものが見つからないわけです。ようするに最先端のことをやろうとしてるモードな世界です。
現状は100%納得ができていないわけですが、だからこそこの先が楽しみで期待してしまうブランドなんです。
そして、このバックルのことも正直に公開している誠実さ。
他にもリサイクル素材の原料や生産過程まできちんと調べてから採用しているなど、その徹底ぶりはたくさんあります。しかし、、、商品紹介に進めないので詳細が気になる方はぜひ店舗まで話を聞きにきてください!
では、ようやくそんなブランドの商品 「Adrift Pant」の紹介です。革新的です。
〇素材 帝人 OCTA
簡単にいうと、軽量、吸汗速乾性、遮熱性がある素材。この特徴が一般的なポリエステル繊維よりも優れています。
このメッシュ構造かつ裏フリースてのが、革新的な使い方ができることにつながるのでおぼえておいてください。
当然、環境にも配慮していて、
oeko-tex🄬認証を受けた日本国内工場で生産した生地を使用したフリース。
糸自体はノンリサイクルのポリエステル100%ですが、染色も石油ではなくバイオマス(植物由来)を使い、
生地をつくる時に出る繊維ゴミはリサイクルされています。
裏地などに採用されることの多い素材ですが、これを1枚で使用することにこの商品の特徴があります。
メッシュなので、通気性が良くかなり涼しい。でも風の無いところではフリースの裏地が暖かい。
このおかげでランニングやハイクなどのアクティブな活動時における革新的なパンツとなるのです。
例えば、通常のフリースなら厳冬期は別ですが秋~春で着用すると、止まっているときはちょうど良い暖かさでも、行動時は熱くなってしまい、オーバーヒートを起こしてしまいます。かといって、いちいち着脱するのはめんどくさいし現実的ではありません。
そんな時に役立つのがこのAdrift Pant。アクティブな活動において、着脱する手間もかからずそのまま履けるインナータイツになるのです。
行動時は涼しく、止まっているときは暖かい。
寒さによってウィンドシェルを重ねれば暖かいインナータイツです。
〇絶妙なシルエット
インナータイツなど様々なブランドで出てますが、タイトなシルエットで一枚で着るのはなかなかの勇気がいります。エガちゃんです。
このAdirft Pantは裾にかけて細くなるテーパードシルエットですが、腿回りにはゆとりがあり、ふつうのパンツと同じで1枚で着用しても問題ないシルエットです。
裾にかけて細いのでインナーとしてショーツを重ねても違和感なし。
ポケットとウエスト紐があるのもより良いです。
メッシュ構造なのでさすがに日光があたると透けが目立ちますので下着に気を付ける必要がありますが、そこまで気にしない人なら大丈夫です。山小屋なら全く問題ない。
個人的には夏を含めた通年のテント泊時、このシルエットのおかげでテント場周りの散歩や寝巻としてもいけるので非常に便利。
軽量でかなり小さくなるので、1枚常に持っていても気にならないでしょう。
この素材と絶妙なシルエットのおかげで使い方が広がる商品になってます。
そしてきちんと本格的にアクティブな活動をやっている人がつくってるからこそ、
開脚しやすい股部分のパターン
膝も立体的なつくりにしていつでもノンストレスです。
生産背景、素材、そして製品の機能性まで徹底してこだわっている他には無いとんでもないブランドなんです。
最後に山荘飯島的な着こなしを提案したいところですが、これに関しては既に幅広い活用方法があるので現在模索中。期待に応えられずごめんなさい。むしろアクティブな活動に特化しておすすめしたいと思い仕入れをした珍しい商品だったりします。それだけ革新的でした。
逆に、これは便利という活用方法を見つけた方はぜひ教えてくださいね!
現状の考える着用シーンはこんな感じでしょうか。
・秋から春の登山
インナータイツとして、ショーツとの重ね着
・厳冬期登山
ウィンドシェル、ソフトシェルとの重ね着
・テント、山小屋泊
寝巻、リラックス着、散歩着
*スノボード、スキーなどのウィンタースポーツのインナーにも登山と同様におすすめ。
・日常のランニング
これ1枚でOK。ショーツとの合わせでも。ランしても涼しく、止まれば暖かい。
・日常生活でのタイツとして
通気性もあるので、オーバーヒート起こしづらいのでおすすめ。
・旅行時のパジャマ
軽量、コンパクトさはかなり良い。外出もできる。
とりあえず私自身は明日からキャンプへ行くので、これをインナータイツ&寝巻として早速着用してみます。
キャンプにこそ持っていこう、登山ギアです。
ユニセックスな商品なので、様々な人にお勧めしたいと思いXS~Lまでのサイズをご用意してます。
触り心地やその軽さなどを是非確認して頂きたいので、どうぞ店舗までお越しください!
とにかく快適な着心地!
Adrift Pant ¥13,200(税込)
きちんと管理された日本の工場で縫製されてます。
以下URLよりオンランストア商品掲載ページにアクセスできます。
https://sanso-iijima.stores.jp/items/624824722cf73d51e81e3c97
ちなみにラベル類も、エコ性の高いものを採用して、徹底してます。
サイズタグ:ペットボトル由来リサイクルポリエステル100%
洗濯タグ:コットンローン100%
ブランドタグ:リサイクルポリエステル50%以上
モードなハイファッションという言い方をしますが、もはやモードなハイアウトドアブランドです。
それだけ最先端で革新的なことを真面目にやっていますよね。