革新的なパンツと同じ素材を使用した行動着を山荘飯島の目線で紹介します。

まずは業務連絡です。年末年始は以下日程で営業します。
年内最終日  12/30(木)11時ー17時 *閉店時間変更しております。
年明け初日  1/2(日)13時ー19時
*1/3(月)、4(火)は通常営業 11ー19時

店を開いて初の年末年始ということで、近所の状況を見ながらとりあえず営業してみます。のんびりとやることになると思いますが普段来れない方もこの機会にご来店頂けましたらうれしいです。まずは少しづつ商品を増やしつつ良い年越しができるように頑張っていきます。来年は勝負の年になりそうです・・・

そんな年の瀬を感じながら、今回は登山強めの商品紹介。
長ったらしいタイトルですが、登山において機能的な使用ができるSTATICのAdrift Zip Hoodyを紹介します。

以前紹介したAdirft Pants と同様の素材Octaを1枚で使用したミドルレイヤーとなります。

パンツの方はご購入者の方々の評判良しです。履けば分かるそのおもしろい使い方。私はチノパンの下に結構な頻度で保温タイツがわりに履いてます。締め付けられない適度にリラックスしたシルエットでとにかく軽い、その上暖かいのに蒸れることもないという今の時期、普段使いに最高です。日常にこそ使おう登山ギアということですね。女性にもおすすめなのでこちらもぜひ検討してみてください。

ではこのAdrift Hoodyはというと、

「Octa」を1枚使いしている為、パンツ同様にメッシュなフリース構造のおかげでベースレイヤーの上に着用したまま行動でき、風が無ければ休憩時は暖かい。シェルを着れば保温性のあるフリースとなりつつ、オーバーヒートも防ぐという非常に便利で通常のフリースなどのミドルレイヤーとは少し異なった革新的な機能を持ち合わせています。
寒い冬だって運動時は汗をかきますのでこの商品はシーズンを問わずおすすめできます。

でもここらへんの説明はもはや大前提、素材面や機能面の優秀さは他の店でも紹介されているので私が語るまでもなく良い商品です。
なのでここからは山荘飯島目線。でも今回はファッション~とか、街でも~というような偏見みたいなしつこい話ではなく前職での経験を生かしつつ、アパレルメーカーぽくパターンに関して掘り下げたいと思います。この商品を既に知っていた方もさらに良さが分かりますよ。素晴らしいですSTATIC。

とは言ってみたものの・・・アウトドアウェアのパターンは関わったことが無かったので予測も踏まえた解説となりますのでご了承ください。なので分かりやすく関心した3つの部分に絞って説明していきます。ファッションアパレルの分野と比較すると独特で非常に勉強になります。そして正解はあらためてメーカーさんに聞いてきますので。

1、袖脇下のパターン


なるほどと思いました。脇身頃から下袖がつながったパターンです。
おそらくこれは腕の稼働という意味で非常に理に適ったパターンかと。腕を上にあげると脇に縫い目がある場合どうしても引っかかりがあります。脇下の胴から袖部分までが一枚のパーツなので腕を上げた時に違和感なく稼働できるわけです。これは生地にナチュラルなストレッチと柔らかさ、軽さがないとできなそうですね。生地が固いと、その固さで腕がスムーズに上げられず、腕をおろした時に脇下が生地の厚みでごろつきます。重い生地ならダボついてしまいます。なのでその条件が当てはまるOctaは運動性、機能性を踏まえた上で適してます。
さらに脇下に縫い目が無く、生地の重なりも無いということなので、通気性があがり、よりオーバーヒートがおこしづらい構造とも言えるでしょう。

2、サムホールのパーツ


サムホールとは袖口にある親指を出す穴です。これがあるおかげで袖がずり上がる、下がることなく行動できるので地味に便利。
このパーツが袖から1枚のパーツでつながっていわけでなく、別パーツとして接いであるという点に注目します。生地の特性や穴をあけるための構造的な理由かもしれませんが、このおかげでサムホールを引っ張った際に力が分散し袖全体が極端に引っ張られることを防げるわけです。
脇下のパターン含めた腕の稼働性という点でもメーカーが実際に沢登やクライミングなどを想定したリアルな環境でテストしているのが納得できますね。

そしてこの部分は指での引っ張りが強く消耗が激しい、万が一穴が空いてしまった場合には腕全体に影響してしまいます。でもパーツとして接いでる為、パーツ交換すれば修理でき、被害を最小限に抑えることができるとも言えますね。


3、3枚はぎのフード


ようするに3枚のパーツでフードができてるということです。これは頭を立体的にすっぽりくるむ為にマストなパターンです。スリムフィットなフードでヘルメットを上から被っても違和感なく行動できるということをメーカーでもうたってますが、2枚ハギとはフィット感が異なり、行動着とするならこのパターンではないと駄目でしょう。

余談ですが、この3枚はぎのフードはスウェットパーカーだとカナダ製ボディで見られます。分かりやすいところだとSupremeのボディですね。Camberなどのアメリカ製は生地の厚みで立つフードと言われていますが、3枚はぎのフードはより立体的になり、おろしている時の見た目や被った感じが全然異なります。なので個人的にもこの点があってカナダ製のスウェットパーカーは好きです。とは言ってもアメリカ製でもなんでも気にせずに着てるんですけどね。
Adrift Zip Hoodyのスリムフィットさとは意味合いが異なりますが、こういった部分に着目してもその製品の意図が感じられて面白いですよ。

アウトドアメーカーでは特にシェルなどを見ると分かるように、ヘルメットをかぶることを考慮しているので3枚ハギのような立体的なフードが一般的ではあります。

今回は以上の3点を取り上げてみました。
フリースはリラックスウェア的意味合いの製品もありますが、こちらに関してはメーカーでも行動着「アクティブフリース」として説明しています。上述の部分だけでもその行動着たる由縁が十分に伝わりますよね。クライミングや沢登りなどまでを想定した稼働性です。おそらく私の気づいていないこだわりが他にもたくさんあると思います。

シルエットは適度にリラックスした雰囲気。気になる方はサイズダウンもOKでしょう。

袖、裾はゴム入りパイピング 裾のおさまりの良さも個人的には好きな点。

ファスナーの上下止まり部分もしっかりと補強。顎に干渉するポイントは少し厚めで。気が利いてます。


深く開くので着脱、温度調整もしやすい。
ちなみにファスナーも環境に考慮した素材を使用しているという部分はさすがSTATICです。説明が長くなってしまうので割愛してますが、素材、工場背景、廃棄物まできちんと管理、公開しているのは他には無いSTATICの特徴です。

既に実績もあり、素材含めて機能面は申し分ないわけなので、そのパターンを見てなぜ機能的なのか?について掘り下げでみました。本当に良いですAdift Zip Hoody。
今の世の中は情報が手に入りやすいので、いろんなうんちくや説明などはある程度のレベルであれば、それ風に商品に採用することができてしまいます。でも出来上がった製品は正直で、素晴らしいものは語らずともその細部にその良さが見えてくると思ってます。
様々な環境でテストした商品ではなく、商品を見れば様々な環境で実際にテストしたことや、その作り手の特徴が見えてくるAdift Zip Hoodyです。Octaを使った製品は今後たくさん出てくるかもしれませんが、 ここまでのこだわりを持った製品はなかなか無いでしょう。

最後にもうひとつ前職の経験から見えたこと。金額面に関して。
パーツが多く、縫製する部分が多いとそれだけ手間がかかります。実はプルオーバーの方がフルジップの仕様よりも縫製が難しい。手間=工賃の高さです。サムホールの有無だけでも工賃はけっこう変わってくるでしょう。工賃が高ければ製品の金額に反映せざるを得ません。そういった意味でも日本製でありここまでこだわり、パーツ数が多いパターンにも関わらず価格面も抑えられている製品だと個人的には感じます。


山だけでなく日常のランニングやジムのウェアにも最適ですよ。着たまま行動できる「アクティブフリース」をぜひ検討してくみてください。
それでは店舗にてお待ちしております。恥ずかしながら、どうやら他店に在庫の無い商品もあったりする山荘飯島でした。



Adrift Zip Hoody ¥18,700(税込)

オンラインストアはこちら

https://sanso-iijima.stores.jp/items/6211e9b6acbcb014f2d88eb2

アーカイブ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です