11月です。暖かいです。ありがたいけど店は本格的な冬仕様になっているのでビビってます。去年は何も分かってなかったけどここから年末まで頑張り時でしょう。
アパレルメーカーにいた時はとりわけコートの納期は必死に守ろうと駆けずりまわったことを思い出します。早く納品しようとするとちょっと待ってと言われて、遅れてしまったシーズンがあればなかなかに気まずさが漂います。そのくらい真剣な気持ちで取り扱っているのが冬のアウターということです。
分かったつもりではいましたが、自分で店を開いて2年目にしてようやくその恐ろしさを実感している山荘 飯島です。
そんな矢先にPROMONTE公認の山荘 飯島ナップザックを販売しちゃってます。36歳価格で税込み¥3,600(詳細は後日紹介しますね!店頭では販売中です。)
そんな価格設定ですが、アウターが1個売れたらナップザック20個分くらいの売り上げという事実。すごいぜ冬のアウター。売れ残ったら震えちゃうよね。
店としては正直に言うべきではないのでしょうけど、気合の入り方はきっと違うのかもしれない。ごめんなさい。もちろん店頭では平然とした顔で分け隔てなく御対応をさせて頂きますのでご安心ください!!でもきっとアウター類が売れた日には自然とお辞儀の角度が深くなっているかもしれません。そこらへんはご了承くださいね
ただ裏を返せば、お客さんにとっても真剣勝負なアウターの購入。なのですごく真剣にアウターを紹介していかなければなりません。なにか気になる点などがあればできる限り詳細を説明したいと考えていますので不足分は気兼ねなくご質問ください。
しかし、そう考えると少しだけふざけた気持ちで買えるだろうナップザックてのも店としては無くてはならないアイテムでしょう。真剣勝負ばかりしてたら息苦しいですもんね。町の気さくな登山用品店を目指したいのでぜひぜひナップザック含めて気軽な買い物気分でもお越しください。
では今回紹介するのはチェコのアウトドアブランドTilakの定番ともいえる冬のアウター Svalbard Infinium Jacket
もちろん最高な品質を誇るチェコの自社工場製です。
Tilakに関しては初めてのブログでブランドの凄さを書いてますので良かったら読んでみてください。1年以上前のブログなので考えた方や言ってることが変わってるかもしれませんがTilakに関しての圧倒的信頼は変わりませんので。ちなみに過去ブログを見返すと恥ずかしいことや変なことが書いてたり突っ込みどころが多かったりするのであまり私を読んでなかったりします。
品質はもちろんなのですが、やっぱり純粋にこのカッコいい佇まいがTilakは別格だと思います。ファッションとして馴染む。
Mサイズを大きく着用してます。
DIGAWELの太いパンツとアディダスのスニーカーに合わせて、ちょっとストリートな感じでも相性良いです。
もちろんデザインを意識していないわけじゃないのでしょうけど、機能美を追求するとそれがファッションとなるいい例だと思います。日本ではファッション界隈での評価が高いのもうなずけます。
アウトドアブランドなわけで機能に関してはそこらへんのアウトドアブランドと比較しても全く劣らない。というよりも「世界最高レベルの生地を用い世界最高クラスの縫製技術とデザインで、 1点1 点最高の機能と外観を作るのがTilak の特徴」と言ってるだけ優れた商品が多数あります。
このSvalbard Infinium Jacketは表地にGORE-TEX Paclite® Plusを使い、中綿にClimashield® Apex を使った厳冬期にも対応する暖かさを兼ね備えたシェルと言えます。
表地はハードシェルと変わらないわけですから、これ単体で雪山でもアクティブな活動が可能です。
ファション文脈でもそのカッコよさと機能性を散々説明しているようなジャケットなのですが、登山用品店として登山文脈から見ると、GORE‑TEX INFINIUMのカテゴリーの属していることが気になりました。
表地は防水素材の2レイヤーGORE-TEX Paclite® Plusなのに完全防水性をうたってないカテゴリーなのです。(*ゴアテックスという名前に騙されちゃだめですよみたいなことです。)
少し脱線というか、余談になりますが、
2レイヤーに対してなんだか心もとないという印象を持っている人もいると思いますが、それも騙されちゃいかんよという話があります。今回のSvalbard Infinium Jacketに関しては中綿入りで裏地を別素材で縫製しているのでメンブレンが丸出しではないので2レイヤーで十分というわけです。
もちろん一般的には3レイヤーの方が頑丈という考えで合っているのですが、表側からの単純な強度としては表地に何を使うかが関係してくる(~デニールのナイロン素材を使用など記載があると思います。)ので単純に3レイヤーの方が、2レイヤーよりも強度が優れているとは言えない部分もあったりします。
昔は高温多湿の日本では裏地トリコット(簡単に言うと凹凸があります。)を採用した3レイヤー構造の方が通気性と肌触りが良いので一般的とされていて、湿気の少ないヨーロッパの地域では裏地にトリコットが無くてもOKみたいな考えがあったみたいです。もっとも最近は軽さを重視するので2レイヤーがだいぶ浸透してきたり、メンブレンのみのシェイクドライなんかもありまして、この防水素材も日々進化していて大変です。
というわけで、ようするにレイヤーにこだわらず、日本の気候を考えて、そのブランドの成り立ちを調べたり、知識や周囲の意見を無視しちゃったりして、冷静に自分に合ったものを見つけることも重要なのかなと思っている山荘 飯島ではあります。
ようやく話を戻すと、
このSvalbard Infinium Jacketは防水素材GORE-TEX Paclite® Plusを使用しているのに完全防水をうたっていないGORE‑TEX INFINIUMカテゴリーなのは縫い目がシームテープ処理をされていないことにあります。すなわち完全防水と言えないわけですよ。ここがGORETEXの誠実さです。防水性に関してのプライドが見えますよね。
また話が逸れてしまいますが・・・
最近ファション系のブランドでも防水素材を使用している商品を目にしますが、シームテープの処理をされていないものも多いです。たまに防水素材だから雨具になるよなんて言葉を使って紹介している店があったりしますが、それはGORE‑TEX INFINIUMなカテゴリーなわけで、誠実な説明とは言えませんよね。アウトドアブランドがやたらとシームは処理してますみたいな説明をしているのには理由があり、そこも冷静な見極めが重要だなと感じる山荘 飯島です。
何を隠そう登山始めたての頃にファッション系セレクトショップで登山アイテムを全部そろえてやろうと試みて、防水シェルを買ったと思ったら、撥水ウィンドシェルを買っていた経験がありまして。そこで覚えたパーテックス。
なのできちんとした見極めができる手伝いができればと思います。個人店てのは商品少ない分、説明だけは多いはず。
登山用品店と言ってしまっているので、そこらへんを注意して山荘 飯島はうまくやっていきたいなと考えてます。アウトドア風ファッションブランドが増えているからこそ、面白さはありつつ注意も必要でしょう。
なんか苦言みたいなブログになりそうなのでまとめると
ゴアテックスは誠実さがありますが巷にはゴアテックスがあふれているので、このカテゴリーを見てその商品を判断する一つの指標としてみてください。
この場合は完全防水じゃないから劣っているというわけではありません。あえてのGORE‑TEX INFINIUMということ。
まず製品の「より暖かく、より軽く、より手軽に」のコンセプトの通り、シームテープを使ってない分より軽さが増します。見た目よりも軽いです。ウルトラライト文脈のおかげで簡単に軽いというと怒られそうですが、約590g中綿入りハードシェルと考えると悪くないと思います。さらにテープの劣化もなく、クライマシールドは化繊綿なので簡単に洗濯もできてしまいます。ダウンと異なり、シート状になった綿なので縫い目が処理されてなくとも羽毛が飛び出ることも無い。手軽にという点も納得です。
そして完全防水じゃないからこそ中綿が化繊であるクライマシールドを使っている点も非常に機能的です。厳冬期に使うジャケットであるなら防ぐべきは雪や風、シームテープ処理をしてなくても十分。化繊であるからより湿気に強く、防寒性も損なわれません。厳冬期においても非常に優秀なアウトドアウェアだと言えるでしょう。もちろんダウンと比べると防寒性は劣りますが、厳冬期と言えど-30℃の本格的な環境に行かなければ問題なし。東京の登山用品店としてはちょうどいい。とくにこれからの時期の低山登山でもすごく機能を発揮しますよ。
例えば、年末年始に塔ノ岳へ行く人は最高なジャケットになると簡単に想像できます。
電車で登山へ行くならば、ここまでカッコいいアウターは無いはず。これならアウトドア感も無く馴染みます。
そして登山口までの行きと帰りはインナーにフリース程度の行動着を着こめば真冬でも問題ないので1枚脱ぐだけですぐに登山へと向かえます。その時の気温にもよりますが山頂でもこれ一枚で防風性も兼ね備えているのでシェル入らずで暖かく、少し寒さが心配なら薄手のインナーダウンを持って行く程度で問題ないでしょう。
ぜひ、登山文脈でも検討してもらいたいアウターです。
ここまで登山用品店として説明しましたが、結局のところTilakの凄みってかっこいい佇まいでしょう。シンプルに1着だけで納得させてくれるアウトドアブランドてなかなか無いですよね。おそらく明確な機能を求めて買っている人は少なく、単純なかっこよさで売れている部分も否定できないはず。
機能はおまけと捉えて考えても、価値のある冬のアウターとなるはずです。
ぜひ山荘 飯島まで真剣にアウターを選びにきて頂ければ幸いです。
そしてこのコーディネートが山荘飯島が真面目に提案するこの冬の低山登山な服装
今のところは山で見かけないはず。
このパンツは表地が高密度のポリエステル。そして裏地がみんな大好きアルファダイレクトを使ってます。
山荘飯島調べによると、アルファダイレクトを使用したパンツでは一番カッコいいとのこと。登山文脈には無いブランドからの提案です。これはコーディネートのほんの一例でサイズ感含めて、すごくおもしろい提案ができますのでぜひ実物を見にきてしまいましょう。女性にもユニセックスでおすすめします!
そしてアドリフトパンツもきちんとアップデートされて再入荷しました!ようやく冬支度ができる店になってきましたので皆様のお越しをお待ちしております!!
オンラインストアに掲載しました。ぜひご検討ください。