本日は展示会を巡り新しいウールの提案ができそうでココロを弾ませながら、最終的にこけしを買った山荘 飯島です。
こけしに心を奪われた話も書きたいのですが、どうしたんだろう?と思われそう気もするので早速に商品紹介へ。ボリューム満点です。ちなみにこけしには注目した方がよさそうな兆しです。
ゼロに近づけることを目指したのがAfterglow の MARO PARKA
オリーブのみまだ在庫あります。
そして、登山用品店としてはあえて「無駄」とも言いましょう。機能美を備えているのがこの 3レイヤーのゴアテックス素材を使用した防水ハードシェルCAW JACKET
世界でもトップレベルの縫製技術をほこる自社工場を持ったチェコのアウトドアブランドTilaKの高機能トラベルライン POUTNIKの商品です。
acronymブランドのフィルターを通し、より「街」を意識しながらもTilakの過酷な状況下での機能や経験を反映したギア的要素盛り込んだラインになってます。
ようするに世界的にも凄いというか超一流のデザイナーが関わっているアウトドアブランドと思ってください。ゴアテックスを好き勝手できる唯一のデザイナーです。
Tilakとして本格的なアルパインジャケットを作っているという背景があるのもこの商品に深みが出る部分でもありますし、ゴアテックス素材を使用した上でここまで好き勝手できるということはゴアテックス社からの信頼を得ている圧倒的技術力があることの裏付けでもあります。
そんな商品ですが、まずはこの部分をみてください。
上が日本製ゴアテックスジャケットことプロモンテ
下がチェコ製 POUTINK by Tilak CAW JACKET
裏側シームテープ部分を比較してみました。
シームテープと言ったら山荘飯島的に言えば、大きなアウトドアブランドの醍醐味です。シームされてるかされてないかの差はでかい。
もちろんどちらもゴアテックス認定工場なわけですからシームテープはできますよ。でも比較すると幅の違いがはっきりと分かります。
シームテープ部分は透湿性が無い部分であり(一応、言及しておくと幅が広い=重いとなります。)、広いと透湿性が損なわれ、縫製箇所がごろつき稼働性が損なわれると言われています。今は無きWESTCOMBもシームテープの細さで有名でしたが、Tilakも同様に細いです。細さ12㎜はすごいです。丁寧です。
細いというのは縫い目からズレる可能性もあり、技術力に自信がないとできない、やりたがらない仕様です。
比較ついでにもう一か所
個人的にもTilakの考え抜かれたパターンと技術力を感じられる素晴らしい部分
フードが収納される構造
出してもカッコいいフードが収納できるのですが、
普通はこんな感じにフードが全て収納できるような作りです。(またプロモンテ比較です。)
Tilakはというと、
フードと襟が重なる部分が4分の1程度しかありません。(赤丸部分)
一見するとプロモンテの方がきれいに見られがちですが、ゴアテックス3レイヤーという素材と向き合った際に最適だと思うのがTilakのフード構造なのです。
どういうことかと言うと、
今回の生地は日本の湿気にも適している3層構造のゴアテックスなので裏地がある分、生地に張りがあり、厚みもあります。今回のようなフードを折りたたんで、襟に収納する構造だと生地が重なってしまい、襟が固くなり、首にもあたるので着心地もよくない。
なので、生地の重なりをおさえることで襟の固さとごわつきをおさえて、着心地を良くしているのです。生地たった1枚分の厚みですが、その差は歴然でしょう。ウルトラライトな文脈の話に無理やりつなげるならは、軽量化をしたともいえる部分だったり。
フードが収納できる機能という見方ならば同じジャケットに位置するのですが、いち機能というだけでなく、そこに着た時の美しさと着心地を追求するのがTilakなのです。本格アルパイン系のジャケットはフードを収納する必要がないわけですからこんな機能は見られない。これぞまさに、ここであえて「無駄」とも言える部分なわけです。
なにせジャストな位置にマジックテープをもってこないといけないのですから非常に考え抜かれた絶妙なパターンをつくり、縫製もより正確さが求められます。とっても手間がかかります。
ちなみに今までブログなどでは記載してませんでしたが、プロモンテはあの有名な日本のULブランド(英訳するとマウンテンロードみたいな名前のところだったり・・・)と同じ、日本でも屈指のゴアテックス認定の縫製工場を使ってます。プロモンテはそんなこともひた隠しにしているというか、さも当然のようにそういえば同じだよくらいな感じで教えてもらったわけですが、知れば知るほど底知れない背景をもったブランドなのです。
テープの幅やフードの作りだけ見ると、じゃあTilakの方が圧倒的にすごいじゃんて単純な話になるのですが、おそらくプロモンテの工場ではここまでの作りはできなくとも、もっとポテンシャルが備わっていると思ってます。
と言うのはプロモンテの凄みまた違ったベクトルでして、工場にとても従順でいかに工場が手間をかけず簡単に作れるかにこだわっているところなのです。簡単にしているからこその、独特な雰囲気の仕上がりに。Tilak同様にこれもまた絶対に他じゃ真似できないと思わせます。だからこその約2万という価格。とは言え、安すぎだけどね。
そんなプロモンテも残りわずかでこれで廃番。次回は色が未定で値上げの波にのまれてしまいます。悲しいです。店としても大変です。気になる方はこちらもぜひ!
話が逸れまくってますが、
こんな裏側や単純そうな作りにも、技術力や商品の価値が見えたりします。
どこどこ製やブランドの知名度に惑わされないことも肝心だったり。まあ惑わされても全然良いのですけどね。ブランド力てのはそれはそれで正当な評価でもありますし、山荘 飯島は深くて浅い店になれたらいいと思ってます。
またまた余談ですが、MARO PARKAはストレッチ性のある防水素材なので、ストレッチ性があり極力薄いシームテープをつかってます。デザイナーのわがままとも言えるこだわりを貫けるのもまた自社工場 made in Chinaの凄みというわけです。(Afterglow は日本のブランドですが、中国の自社工場を好きに使えるという壮大な背景があります。)
では話を戻すと、
このおかげでカバン入らずの収納力があり。旅行においても機能的で役立ちます。機能とデザインの両立です。
そんなチェストポケットも複雑な作り。
ふつうアルパイン系のハードシェルは岩などにも干渉しないように前面のポケットを無くしたり、にしますがここもまた「無駄」ともいえるこだわりのつくりになってます。ファスナーが無く、フラップのみ。ちょっとしたものが取り出しやすいつくりです。
左チェストポケット裏のみ止水ファスナー付きのポケットあり。
ここらへんはトラベルウェア的な盗難防止などの要素があるのでしょう。
ゴアテックスみたいな素材じゃなくとも、こんなポケットのつくりだけでも工場泣かせのデザインだと容易に想像できます。日本で作ったらとても販売できない金額になることも多々ありますが、Tilakは自社工場だからこそこの金額でできているのです。アウトドア文脈ならば値段だけ見て、難しさを感じるかもしれませんがコスパがいいと思って買う人もいるのがうなずけます。
さらにTilakはパーツ類も上等なものしか使っていません。
ここもTilakの製品を着ている人ならば納得して頂ける部分と思いますが、見た目からも上等だと分かり、壊れずに長持ちするのです。
コードストッパーもちゃんとしているのですが、ゴムがしっかりしていることにも感動するのがTilkaです。
シームテープも綺麗です。パターンの複雑さのせいでジグザクになるのですが、これもまた工場は大変ですね。裏側にこそ苦労が見えます。
逆開仕様の丈夫なYKK製
同じYKKでも日本企画やアジア規格とは別でその国によって入手できないものがあるようで、Tilakはその中でも厳選したものを使用しています。
そして裾のステッチも綺麗です。縫製というミシンの部分も素晴らしいのがTilak
*パンツは1/27(金)に再入荷します!
スーツに合わせてもOKです。
ビジネスにも、カジュアルにも、もちろん登山においてもこれが正しいと思って使える凄みがあるのがこのCAW JACKETです。
ちなみにCavir Blackという色みなのですが、部分写真ではなく、着画の色みが実物に近い色となります。少しネイビーのようなブラック。高級感があってとてもいいです。
まだまだ寒さはありますが、ダウンに合わせるなどインナーを調整すれば真冬含めて年間を通して着用できるのもこんなシェルの良さでしょう。これからのスプリングコートとしてもぜひご検討ください。
画像は全てSサイズを合わせてます。(171cm 58kg)
袖丈長く、インナーを着こめる適度な余裕あり。
オンラインストアにも掲載しました。例のごとく少量入荷になってます。ごめんなさい。サイズ感などご不明点ありましたらお気軽にどうぞ。