ファスナーにブランドの歴史と凄みを感じるBALのダウンジャケット/ベスト

23AWアウターブログ その②です。書く前から少しづつ動きがあってうれしいです。

今回は、既にオンラインストアに掲載済みでサイズは欠けてますが、これはちゃんと説明しないといけないBALのダウンについてブログを書きます。

BALに関しては以下ブログを簡単に読んでみてください。

BALは私の中で小学生か中学生くらいに雑誌で見て憧れた東京ブランドです。「東京の」登山用品店という風に頑なに言ってるのは田舎者だった自分の東京憧れからの名付けなわけで、登山という枠の外で扱っているブランドも増やしていきたいと思ってまして、そんな時に縁あって仕入れさせてもらったのがこのBALです。

そんなBALは今年で20周年を迎えているのですが、最近思うのが経験に基づいた深みというか、そんなところが見えるブランドはやっぱり凄みを感じると思いました。

例えば、ぽっと出の登山用品店におもしろさはあっても登山の凄みを感じることは少ないと思いますが、ファッションブランドも同様にそんなことを思うことが多く、もちろん若さからくる発想とか柔軟なものづくりが素晴らしいのですが、それとは別軸でデザイナーさんの積み上げた経験から感じさせる何かがあると、ついつい仕入れたくなってしまいます。

展示会でもデザイナーの蒲谷さんに話を伺える機会があって、そんな部分を感じてしまいました。
とは言えデザイナーさんがあまり説明しない部分ほどこだわりがあると思いますので、あくまでほんの一部のこだわりを山荘飯島の解釈で書いているブログでとなりますので、ご了承ください。

単純なカッコよさだけで売っていい、売れてしまう商品なのでこんなブログが書かなくたっていいわけです。

今回のダウンジャケットで言えば、分かりやすいこだわりの部分だとやっぱりこのベストになるギミックです。

袖をつけるというよりも、袖を被せるという表現になる付け方です。

両袖、背中が一つのパーツになっていて、スナップボタンで着脱できます。

袖が着脱式のジャケットは、一般的にアームホールにファスナーなどが付いていて、胴体部分に袖をはめるイメージがあるかと思います。(登山文脈の人に分かりやすく言っちゃえば、山と道 Light Alpha Jacketですね。比較対象に出しちゃいましたが、あくまで分かりやすい例と思ったからです。ファッション目線での一つの見方、こだわりとして捉えて頂けたら幸いです。)

袖をはめるタイプだとファスナーを隠すため肩幅に対して肩の生地が余ってしまったり、ベスト単体がおまけのような雰囲気になってしまうことが多いので、ベスト単体でも着用できるようなギミックにこだわってデザインされています。ようするにカッコいいということですね。

RabのアルファジャケットにSTONEMASTER 裏アルファパンツと合わせれば、とても調子良く使えます。

ベストとして販売されている商品にしか見えません。

先日説明した以下カレドアーのダウンもやりたい放題やってますが、これもやりたい放題やってる部分がおおいにあります。

なんでそう思うかと言うと背中部分が2重になります。生地が背中の分だけ余分に必要です。

左右の袖をファスナーで胴体に付けるだけであれば、ふつうのジャケット同じような生地用尺になります。この仕様は背中分だけ、さらにコストがかかってるジャケット&ベスト仕様ということが一目で分かります。原価を考えたら、今時やっちゃいけないことですね。これぞファッションです。こんな発想に加えて、これをやりきることがブランドの歴史を感じさせると思いました。みんなこんなことやりたいはず。

ちなみにデザイナーの蒲谷さんは服だけに限らず、様々なジャンルに精通している方なのでインスタグラムとか見てると勉強になります。特に若い子はチェックしておきましょう。

もちろんビンテージなどの分野にも造詣が深いからこそ、このギミックの発想が生まれるのは言うまでもありません。

表地もナイロンだけど、高級感あります。30デニール撥水加工リップストップナイロンを使用

裏地もちゃんと高級感あり。シャイニーな感じですが、やらしくない雰囲気でとても良いです。
左右裏同じ位置にポケットがあります。

当然、裾を絞れるドローコードとストッパーも両側にありますので安心ください。

そして真っ先に気になった人もいると思いますが、ファスナーがたくさん配置されてるのもこのダウンジャケットの特徴です。ちゃんと全て使えるポケットになってます。

これも凄みを感じるポイントでありつつ、やりたい放題やってると思ってしまった部分でタイトルにしました。

ちなみに私はファスナーたくさん系の服はあまり好きじゃなかったのですが、これに関してはただカッコいいと思って、仕入れることにしました。一歩間違ったらこのデザインは危険とすら思います。むしろこの色みも含めて、ロッカーみたいな雰囲気になってしまうのかなと。

でも全くそんなことはありません。心配ご無用です。

背中は2枚重なりますが、隙間があります。脇も隙間あります。てことはオーバーヒートせずで、理に適ったつくりのように勝手に解釈した登山用品店です。

ただ欲しくなるカッコ良さですよね。幅広いコーディネートで色合い含めてびっくりするくらい合わせやすいです。

女性の方にもおすすめ。

ファスナーが多くてハードなデザインになってしまいそうですが、これを高級感もありつつ着やすいバランスにまとめていることに凄さを感じるわけです。

そんなファスナーはアメリカのIDEAL社のものを使ってます。古着などに見られるファスナーなのですが、ここにこだわる発想と実現させるのがすごいと、私の浅いアパレル経験からも感じました。

ファスナーは基本的にはYKKが一般的です。むしろ国内の90%以上の市場を締めているブランドで誰もが知っているというか、他にブランドあるの?と思うくらいにYKKです。

でもIDEAL社を使っています。真っ先に思うのがめちゃめちゃコスト高いはず。

アパレルの細かい話ですが、原価コストになかなか響くのがファスナーです。地味に高い。むしろ付属品で一番高いかも。安いのもあるのですが、登山文脈 MYOGの人ならば止水ファスナーが高くてびっくりすることあると思います。こだわればこだわるほど高くなり、大きなロットが必要になるので大きなアウトドアブランドてすごいな~うらやましいな~なんて思っている人も多いはず。引手にブランド刻印していたり、部位によって使うファスナーを細かく選んでいたり。(*身近なファスナー話だと、アフターグローもブランド刻印してるファスナーをあの規模でやっていてこなれた価格にしているのがすごいんですよ。)

実際にIDEAL社のファスナーの値段は分からないのですが、使っているアパレルメーカーをほぼ見ない=高いという判断をしていいと思います。たぶん・・・

こんな感じでたくさん使っちゃってます。凄いです。

ファスナーやポケットを無くすことは分かりやすくコストダウンにつながるので、今のご時世ではよほどのブランドじゃない限り見ることができない仕様だと思ってください。特にファスナーやボタンは素人目では分からないことも多いのでコストダウンの為の格好のターゲットです。

でもそんなことはやりません。だからこそのこの雰囲気というわけです。

ここまでファスナーがついて、ちゃんとポケットになっている上に、さらにIDEAL社のファスナーを使っているというとんでもないことをやれるのがBALです。20周年の凄みです。

ファスナーなど小さなパーツへのこだわりや発想にとても惹かれます。小さいけれど大きな差があるように思いまして、憧れてしまう部分です。

このファスナーやギミックなどのこだわりを貫けるからこそ、高級感もあってただカッコいいと思わせるデザインに仕上がっているのでしょう。こんなことができるのは長くファンがいて、ちゃんと求められている証拠です。

そしてカレドアーの時も説明しましたが、こだわることはできても、こだわりを実現させることは非常に大変なので他では真似できないブランドの凄みと歴史を感じるダウンジャケット/ベストです。

ふつうに紹介してもかっこいいわけなので、例えば、こんな登山的に合わせてもおもしろいかもしれません。
ちなみにBALのLOOKとは信じられないくらいに雰囲気違うので山荘飯島の着画に騙されてはいけない気もします。

なので先にこっち見た方がいいかも → BAL 23FW LOOK

STATIC Adrift P/O ← Mineral Mのみ在庫あります。

迷迭香ナイロンパンツ *朗報です。近日中に入荷します。

ALTRA MONTBLANC BOA ← 26.5cmのみ在庫あります。

どうせならインナーにコムアーチのメリノTを着ちゃいましょう。Super100Sメリノクルー

*商品名をクリックして頂くと、商品掲載ページへ飛びます。

メリノウール+オクタ+ダウン=山

山荘飯島らしい色合わせを意識した登山の表現です。
比較することが自体がおかしいのですが、ファッションブランドであるので登山メーカーと比較したら重いし当然かさ張ります。でも無理すればBalのダウンは使えなくもないのかなと思ったり・・・まあ大切に着たいので実際は使わないですね。とは言え長く使っていくうちに汚れてきたら思い切って登山でつかっちゃいましょう。ちょっと別の要素を加えて登山へ行く。そんなことがカッコいいと思います。

ダウンの厚みですが、ちゃんと厚みもありますがインナーダウンとしても使えるくらい(登山的にはミドルレイヤー)なので、日常的にはちょうど暖かいダウンジャケットで使い勝手いいです。生地の高級感と相まってペラペラじゃなく寒そうに見えないので単体でちゃんとアウターしていますので、ご安心ください。

でも年末年始に本当に寒い場所へ行くならば、シェルを着るような着こなしでもおかしくはないです。ダウンベストとしてシェルの下に着るなど好きなように調整して使いましょう。

今年のような暖冬傾向が続くならばベストを使うケースも多く、非常に長く活躍すると思いますよ。

オンラインストアには既に掲載済みで、残りサイズ1のみです。

ぜひご検討ください → BALのダウン掲載ページはここから

*171cm 58kg 画像は全てサイズ1を着ています。

BALの製品は他にもありますので御来店お待ちしております。ちゃんと上質な材料を使って服好きもうなる仕様にカルチャー感が加わった他にはない雰囲気なので、年齢問わず着て欲しいと思います。

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